【転職6回で幸せをつかむまでの物語|第5話 前編】

ブラック病院から回復期リハビリ病棟へ転職した男性看護師トラパパ。急性期との違いや働き方、患者に寄り添う看護の魅力を実体験で紹介するイメージ。 メンズナース論

ブラック病院を辞めた先で見つけた、本当にやりたかった看護

こんにちは!「トラパパ@サバイバルナース」です!🐾

第4話では、私が29歳で転職した「大きくて綺麗な有名病院」で経験した、人生最大のブラック病院時代についてお話しました。

毎日当たり前のようにサービス残業。

若い看護師が疲れ切った表情で深夜まで記録を書き続ける病棟。

研修医主体の急変対応。

そして、私自身が「もうここでは働けない」と心が折れてしまった出来事。前回の記事はこちら。

あの一年間は、今振り返っても決して忘れることのできない経験です。

しかし、その経験があったからこそ、私は次の転職で人生を大きく変えることになります。

トラパパ
トラパパ

ブラック病院を辞めた私は、30歳で初めて回復期リハビリ病棟へ転職しました。

この病院が、私の人生を大きく変えてくれることになります。

30歳。

看護師になって4つ目の病院。

ここが、私の人生を大きく変えてくれた病院でした。


「もう急性期はいいかな…」

ブラック病院を退職すると決めた頃。

私の中には、一つだけはっきりした気持ちがありました。

「もう急性期で働くのは疲れた。」

もちろん急性期には急性期の魅力があります。

命を救う最前線。

急変対応。

私自身、この数年間で急変対応や病状管理を数え切れないほど経験しました。

その経験は、今でも本当に役立っています。

でも…。

毎日バタバタ走り回り、急変対応に追われる働き方を、この先も何十年も続ける自分が想像できませんでした。

そんな時、ふと思い出したのが回復期リハビリ病棟でした。

急性期病院で働いていると、

「状態が落ち着いたので回復期へ転院します。」

そんな患者さんを何人も送り出します。

そのたびに思っていました。

「この先、この患者さん達はどんな生活を送るんだろう。」

急性期では命を救うことが中心です。

でも、その後の人生までは見届けられません。

私は、その続きを見てみたいと思いました。


初めて「回復期」という選択肢を考えた

この頃の私は、精神科という選択肢は全く持っていませんでした。

「看護師なら一般科で働くもの。」

そんな固定観念を持っていたんです。

だから自然と次の候補は回復期になりました。

リハビリを頑張って。

少しずつ元気になって。

家へ帰る。

施設へ帰る。

社会へ戻る。

そんな患者さんを支える仕事に魅力を感じ始めていました。

急性期ではできなかった退院支援。

家族支援。

在宅生活を見据えた看護。

きっと今までとは違う看護が学べる。

そう思えたのです。

トラパパ
トラパパ

「治す看護」だけじゃなく、

「生活を支える看護」を学びたい。

そう思うようになりました。


転職エージェントへ、もう一度相談した

今回も転職エージェントへ相談しました。

実は紹介してもらったブラック病院も、同じ会社から紹介された病院でした。

正直、相談するのは少し気まずかったです。

でも担当者は違いました。

私は包み隠さず話しました。

「紹介してもらった病院なんですが…。」

「一年働いて退職したいと思っています。」

ブラック病院で経験したこと。

急性期を離れたいこと。

回復期で退院支援を学びたいこと。

車通勤できること。

今より忙しくないこと。

できれば給料も下げたくないこと。

すべて正直に伝えました。

すると担当者は、私の話を最後まで聞いたあと、こう言いました。

「もっと病院の内部情報を詳しくお伝えできていれば良かったですね。」

「情報提供が不足してしまい、本当に申し訳ありませんでした。」

私は驚きました。

悪いのは担当者ではありません。

私は忠告を聞かず、自分の勝手なイメージだけで病院を選んでしまったのです。

それなのに謝ってくれた。

その姿勢が、とても印象に残っています。

💡病院選びで一番大切なのは「内部情報」

私はこの転職で、

求人票だけでは病院の本当の姿は分からない

ということを痛感しました。

だから今は転職するとき、

複数の転職サイトで内部情報を確認してから応募しています。

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「情報だけでも役に立てたなら嬉しいです」

紹介された病院は二つ。

そのうち一つは、自己応募すると転職祝い金がもらえる病院でした。

私は少し悩みました。

「紹介してもらっているのに、自分で応募するなんて申し訳ないな…。」

そう思いながら担当者へ相談しました。

すると笑顔で、

「もちろん大丈夫ですよ。」

「情報提供だけでもお役に立てたなら嬉しいです。」

「新しい職場でも頑張ってくださいね。」

そう送り出してくれました。

その言葉は今でも忘れられません。

転職エージェントというと、

「求人を紹介する人」

というイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも私にとっては違いました。

人生の節目で背中を押してくれる存在。

そんな印象の方が強いです。

だから今でも私は、転職する時は複数の転職エージェントから話を聞くようにしています。

病院のホームページだけでは分からないことが、本当にたくさんあるからです。

トラパパ
トラパパ

あの担当者さんには今でも感謝しています。

あの言葉で、前向きに次の病院へ進めました。


回復期病院を見学した瞬間、空気が違った

回復期リハビリ病棟を見学する男性看護師トラパパ。患者に寄り添う看護や多職種連携、明るい職場環境に魅力を感じ、転職を決意した実体験イメージ。

初めて病院を見学した日。

病院自体は新しい建物ではありませんでした。

でも、とても綺麗に掃除されていました。

そして何より驚いたのが、

みんな笑顔で挨拶してくれること。

病棟スタッフだけではありません。

医師も。

リハビリスタッフも。

事務さんも。

廊下ですれ違うたびに自然に

「こんにちは。」

そう声を掛けてくれました。

たったそれだけのこと。

でも、ブラック病院を経験した私には、その光景がとても新鮮でした。

「この病院、なんだか雰囲気がいいな。」

自然とそう思えたのを覚えています。


初めて見る「回復期」という世界

病棟へ案内してもらうと、さらに驚きました。

患者さんが歩いている。

理学療法士さんと一緒に歩行練習をしている。

作業療法士さんと手を動かしている。

言語聴覚士さんと嚥下訓練をしている。

急性期病院ではベッド上で過ごす患者さんを多く見てきた私には、とても新鮮な光景でした。

病院なのに、

どこか明るい。

どこか前向き。

治療する場所というより、

「元の生活へ戻るための場所」

そんな空気を感じました。

その瞬間、私は心の中で思いました。

「ここで働いてみたい。」

ブラック病院を辞める時には、不安しかありませんでした。

でも、この病院では久しぶりに未来への期待を感じることができたのです。

トラパパ
トラパパ

ブラック病院のあとだったからこそ、

この病院の温かさがよく分かりました。

急性期とは、まるで別の世界でした

翌日から病棟勤務が始まりました。

前日に入職式を終えていたこともあり、少しだけ緊張は和らいでいました。

病棟には男性看護師はいませんでしたが、男性介護士さんが二人いました。

業務内容が違うので、最初は挨拶程度の関わりでしたが、「男性スタッフがいる」というだけで、どこか安心したのを覚えています。

師長さんは穏やかな女性で、病棟のことを一つひとつ丁寧に説明してくださいました。

この病棟は、まだ新しく立ち上がって間もない病棟だったため、主任はいません。

だからこそ、一人ひとりが病棟を作り上げている最中でした。

病棟全体の雰囲気も、見学で感じた印象そのまま。

明るい。

穏やか。

そして患者さんが元気。

病棟のあちこちでは、

理学療法士さんが歩行訓練をしていたり、

作業療法士さんが食事動作を練習していたり、

言語聴覚士さんが嚥下訓練をしていたり。

急性期病院では見たことのない景色でした。

「ここではリハビリが治療なんだ。」

そんなことを自然と感じました。


「手伝う」のではなく、「できるようになる」ための看護

回復期リハビリ病棟で患者の更衣動作を見守りながら支援する男性看護師トラパパ。できることを増やし、自宅退院を目指す回復期看護の実体験イメージ。

回復期で最初に驚いたこと。

それは、

「できることは患者さん自身にやってもらう。」

という考え方でした。

急性期では、

患者さんの体調悪化を防ぐため、

少しでも負担を減らすため、

私たちが先回りしてケアすることも多くありました。

でも回復期では違います。

例えば着替え。

例えば食事。

例えば車椅子への移乗。

時間がかかっても、

少し危なっかしくても、

患者さん自身でできるところは、自分でやっていただく。

もちろん必要な時には介助します。

でも「全部やってあげる」のではありません。

できる能力を取り戻すこと。

それが回復期の看護でした。

最初は正直、

「こんなに見守っていて大丈夫なのかな?」

と思いました。

でも次第に気付きます。

これは放っているのではなく、

患者さんの未来を考えた看護なんだと。

トラパパ
トラパパ

最初は驚きました。

でもこれが、本当のリハビリなんだと少しずつ分かってきました。


リハビリスタッフとの連携に驚いた

回復期リハビリ病棟で医師・看護師・リハビリスタッフ・介護職と多職種カンファレンスを行う男性看護師トラパパ。患者の退院支援と自宅復帰を目指す回復期看護の実体験イメージ。

もう一つ、大きな違いがありました。

それが、

多職種との距離の近さです。

急性期では、

リハビリスタッフと話す機会は限られていました。

でも回復期では違います。

毎日のように、

「今日の歩行状態はどうでした?」

「食事動作はどうですか?」

「家では階段があります。」

「ベッドの高さは?」

そんな会話が自然と飛び交います。

理学療法士さん。

作業療法士さん。

言語聴覚士さん。

介護士さん。

医師。

ソーシャルワーカー。

みんなで一人の患者さんを支えていました。

リハビリ室だけで頑張るのではありません。

病棟生活そのものがリハビリなんです。

だから、

病棟でも歩く。

病棟でも着替える。

病棟でもトイレへ行く。

入院生活すべてが、

退院後の生活へつながっていました。

私はその考え方に、とても感動しました。


看護の視点そのものが変わった

急性期では、

「今起きている病気」

を見ることが多くありました。

肺炎。

心不全。

脳梗塞。

消化器疾患。

どう治療するか。

どう急変を防ぐか。

それが中心でした。

一方、回復期では違います。

病気そのものは、ある程度落ち着いています。

だから見るのは、

「退院後の生活」

でした。

また病気を繰り返さないためには?

家では安全に歩ける?

トイレは?

お風呂は?

食事は?

家族は介助できる?

住宅改修は必要?

介護サービスは?

患者さん一人だけではありません。

家族も含めて支援する。

その視点を初めて学びました。

「看護って、こんなに広いんだ。」

そう感じたのを今でも覚えています。

トラパパ
トラパパ

「退院したら終わり」じゃない。

「退院してから」が始まりなんだと学びました。


一人の患者さんとの出会い

この病院で、

今でも忘れられない患者さんがいます。

まだ若い男性でした。

脳血管疾患を発症し、

高次脳機能障害が強く残っていました。

言葉もほとんど話せません。

自分の置かれている状況も十分には理解できません。

奥さん。

そして小学生のお子さんが二人。

病気になる前は、

とても仲の良い家族だったそうです。

でも、その頃は新型コロナウイルスの流行真っ只中。

急性期病院では面会ができませんでした。

そして回復期へ転院してきた日。

久しぶりに患者さんと再会した奥さんとお子さんは、

目の前にいるご主人の姿を見て言葉を失いました。

病気になる前とは、

あまりにも変わってしまっていたからです。


「お父さんがお父さんじゃなくなっちゃった」

回復期リハビリ病棟で患者家族と退院支援の面談を行う男性看護師トラパパ。家族の不安に寄り添い、自宅復帰へ向けた生活支援や介護サービスについて説明する回復期看護の実体験イメージ。

後日、

奥さんとの面談がありました。

病気の説明。

現在の状態。

今後の生活。

退院後の見通し。

一つひとつ説明していきました。

でも奥さんは涙をこらえながら、

こう話してくださいました。

「子どもが…」

「お父さんがお父さんじゃなくなっちゃった…って言うんです。」

その言葉が、

今でも忘れられません。

患者さん本人は、

障害を十分理解できません。

でも家族は現実を理解してしまいます。

その苦しみを、

私は初めて目の当たりにしました。

トラパパ
トラパパ

看護師になって、

初めて「家族まで看る」という意味を知りました。


「病気は本人だけのものじゃない」

回復期リハビリ病棟で患者と家族の人生を支える看護について考える男性看護師トラパパ。退院支援や家族への寄り添いを通して看護観が大きく変わった実体験を表現したイメージ。

その後も、

面会制限は続きました。

家族が十分に会えない。

直接リハビリを見てもらえない。

介助方法も十分に伝えられない。

電話。

テレビ電話。

限られた時間。

限られた方法。

私たちは必死に伝え続けました。

でも現実は厳しかった。

奥さんは、

小さなお子さんを育てながら、

障害の残ったご主人を支えることに限界を感じていました。

患者さんのご両親も、

「息子のことよりも、お嫁さんと孫の人生を優先してほしい。」

そう願っていたそうです。

最終的に、

患者さんは施設へ入所しました。

その後、離婚されたのかどうかは分かりません。

でも私は、

病気は本人だけではなく、

家族全体の人生を変えてしまうことがある。

その現実を痛いほど学びました。

そして同時に、

回復期看護は、

患者さんだけを看る仕事ではない。

家族まで支える看護なんだ。

そう教えてもらった患者さんでした。


前編まとめ

回復期リハビリ病棟で患者の退院と新しい人生を見届ける男性看護師トラパパ。回復期看護で得た経験を糧に、自分に合った職場への転職が人生を変えた実体験を表現したイメージ。

回復期病棟へ転職して、私は初めて知りました。

看護とは、

病気を治すことだけではない。

退院後の人生を支えること。

家族を支えること。

患者さんの「これから」を一緒に考えること。

急性期では経験できなかった看護が、ここにはありました。

トラパパ
トラパパ

回復期へ転職して、

私は「治す看護」だけじゃない、

「人生を支える看護」があることを知りました。

そして、この病院では仕事だけではありません。

私の人生そのものを大きく変える出来事が、次々と待っていました。

大好きな人へのプロポーズ。

結婚。

父親になる喜び。

認定看護師への挑戦。

主任という責任ある立場。

そして、人生で初めて経験する大きな挫折――。

そのすべてが、この病院で始まります。

第5話 後編へ続く。

💡転職を考えているあなたへ

私はこの回復期病院へ転職したことで、

仕事だけでなく人生そのものが大きく変わりました。

だからこそ今は、

応募する前に複数の転職サイトから内部情報を集めることをおすすめしています。

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